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JobMaster祭2008 結果発表…プロンテラ

2008.5.25



去年話題となった人物を職ごとに表彰するJobMaster祭において、今年の受賞者が発表された。
 
今年のJobMaster祭は、運営団体である実行委員会内での協議で、大幅にその姿を変える形となった。一番大きな要因は昨今の冒険者人口の低下である。受賞者となる冒険者は、ここ数年で最盛期の20%程に低下したといわれている。
にもかかわらず、職業の追加によって受賞枠が増加するというジレンマに陥っていた。昨年までの受賞枠のままでは、選定において受賞者のクオリティが総じて低くならざるを得ないと判断した実行委員会では大胆にも受賞枠の統合を行い、今回の受賞枠は各職業の系統ごとに六部門と、その他の職を統合した特別職部門の計七部門に統一された。

では今年の受賞者たちを紹介しよう。

◆剣士部門(ナイト・クルセイダー部門を統合)
剣士部門において受賞したのは、前年ナイト部門を制した亡霊騎士Phantomを、昨年の末にプロンテラ城正門前にて見事に撃退せしめたクルセイダーのF氏に決定した。
受賞に際してはF氏の詳細について、実行委員会より本紙に問い合わせがあったが、本紙としては取材時の約定を保つことが必須であることから、本人の承諾を得るべくクルセイダー隊の本部に消息を問い合わせた。
しかしながら残念なことに、F氏は年明け早々にプロンテラ軍に傭兵隊として参加し、現在は任務中のため、その所在自体が機密事項であることが判明した。
ただしクルセイダー隊を通じての言伝は可能であるとの事から、受賞の報告をお願いした。
順調であれば六月には任務があけるとのことなので、そのころにまたお知らせしたい。

◆魔術士部門(ウィザード・セージ部門を統合)
魔術士部門の受賞者は、昨年秋に発売され、販売大手アマンゾの魔道書売上げランキングで十五週連続一位を獲得した『詠唱最速理論』の作者で、ジュノーの賢者学院の准教授David氏が選ばれた。
受賞に至っては、昨年末の本紙紙面で暴言(一部読者からは何故か絶賛された)を吐いたウィザードの某T導師との接戦となったが、選考委員らによる投票によりDavid氏に決定した。
氏の代表作である『詠唱最速理論』は、特殊訓練を積んだ魔術士によっておよそ5%〜10%ほど詠唱速度を上げることが出来たとの研究成果をまとめ、昨年の春に学会に発表された『詠唱高速化の実証』を書籍化したもので、発売されるや否やセンセーショナルを巻き起こし、魔術関係者のみならず、一部の聖職者にまで浸透した。
David氏は現在『詠唱最速理論』を上回る、詠唱高速化を実現するために研究を続けているという。

◆弓手部門(ハンター・バード・ダンサー部門を統合)
弓手部門を制したのは、フィゲルのハンター協会に数年ぶりに採用された新トラップの考案者Sigrid=Murat女史である。
女史は子供の頃に見た喜劇を元に新トラップ『Canadry』を考案したという。
このトラップはモンスターなどが仕掛けた罠の上に乗ったときに、金盥が振ってきてモンスターにダメージを与えるというもの。場合によってはスタン効果も発揮されるという副次物的な効果もあるとのことだ。
ハンターが使用するダメージを与えることに主眼を置いたトラップは他にもあるが、爆薬を使うなど取り扱いに注意が必要なものが多い。安全かつダメージを与えたことが明示的なトラップを試行錯誤して実用化したのだと語ってくれた。
「難点はひらけた野外では、まったく使用出来ないことなんだけどね」

◆聖職者部門(プリースト・モンク部門を統合)
聖職者部門には、昨年末にプロンテラを一時騒然とさせる結果となってしまった共生派デモ隊の責任者Lang氏と、彼の所属し、モンスター共生運動で知られるプロンテラ南東地区第六教会が選ばれた。
あの騒ぎの影響か、それともモンスターとの共生思想のブームが過ぎ去った影響か、彼ら共生派の活動の参加する人々は昨年末の最盛期に比べて四割以下に減少したという。
授賞式に現れたLang氏は、モンスターとの共生は感情論に陥りやすいので、共生思想のブームという熱病が過ぎ去った今こそ、活動の本領を発揮する時期にあると語った。
そのときに寄せられた「何故、共生という困難な運動を続けるのか?」という問いに対しては、「困難であるが、実現不可能だとは思わない」との意気込みを示した。

(左より)David氏、Sigrid女史、Lang氏


◆商人部門(ブラックスミス・アルケミスト部門を統合)
商人部門は擬似器官技術の研究者でクリエイターのMaxmilian氏が受賞した。
彼自身はまだ目立った成果を上げてはいないものの、研究成果に期待を寄せた選考委員のG女史の強烈な推薦により受賞と相成った。
彼の研究はいかなるものかというと、怪我や病気などで身体の一部を損ねる事となった人に対して、ホムンクルス技術を応用した擬似器官を埋め込むことで、十全に近い状態に回復させることが出来るのだという。しかもそれは何も失った器官だけではなく、不運にして器官を失して生を受けた人であっても有用性があると考えられている。
「これで私の胸も・・・」選考委員のG女史が不気味な笑みを浮かべているが気にしないで置く。
今後の研究の実用化に期待したい。

◆盗賊部門(アサシン・ローグ部門を統合)
毎年何かと問題の多く、受賞者が会場に居ないということが盗賊系部門ではしばしばあったが、今年の受賞者であるギャングスターDon Gad氏は逆の意味で受賞会場を驚愕させた。
なんと受賞会場に現れた彼の護衛は約百名。受賞者の同行者としては過去最大である。
これらが必要な警備だと氏の主張により全員が会場入りしたため、一般席に人が入りきらないという事態が発生した。しかし流石の観客も会場を埋め尽くさんばかりの強面たちに不満の声を上げられず、授賞式は異趣異様な雰囲気のまま進められる事となった。
件のDon Gad氏が受賞する経緯となったのは、昨年モロクの裏町で起こっていた抗争を集結させたことによる。
ローグギルドの一部勢力とアサシンギルドの一部勢力が、裏町の支配権を賭けて社会の裏の側で続けられていた抗争が激化し、表の側にまで進出。これにより連日、無関係なモロク住民が巻き込まれる最悪の事態を招いた。Don Gad氏はこの事態の早期解決の立役者であり、モロク住民の安全を回復に大きな影響を与えたとのことで今回の受賞が決まった。
もっとも事態収拾において、裏では相当の血生臭い解決方法が取られたとも噂され、今回の受賞は色々な意味で波紋を呼びそうである。
氏は「裏の住民たちの都合で堅気に迷惑をかけ続けては、義理も道理もありはしねえ。これが俺たちにとって最善だったと今も信じている」と語った。

◆特殊職部門
今年より、スーパーノービス・テコンキッド(拳聖・ソウルリンカー含む)・忍者・ガンスリンガーをひとまとめにして設立されたのが特殊職部門である。
昨年までは判定基準などの問題から設立が見送られていた各職に置いては小さいながらも待望の設立といったところなのかもしれない。
その初の受賞者はガンスリンガーのChristoph氏とVince氏に決定した。
昨年初春にゲフェン北西の開拓村が、グラストヘイムからあふれ出たモンスターの大群に襲撃されるという事件が発生していた。
事件当時の開拓村には二百名ほどの住人の他、七人のガンスリンガーがたまたま滞在していた。
住人は彼らに避難までのモンスターを寄せ付けぬようにと依頼。意外に七人はこれを承諾し、住民の避難が完了するまでの約五時間、何ら防御施設を持たない開拓村の防衛に成功した。住人より避難完了の合図を受けた彼らは、モンスターに孤立する中、村長宅の地下に潜んでいたという。
十数日後、ゲフェン軍の反抗作戦により開拓村を取り戻すことに成功。彼らも救出されたが、先の戦闘で七人のうち五人までが戦死していた。あの絶望的な状況において彼らの中の何が奮い立たせたのかはわからない。しかし彼らの功績に対して、受賞は妥当な判断といえるだろう。
なお、戦死した五名も受賞者として名を連ねている。
授賞式に現れたChristoph氏は「俺たちが勝ったわけじゃない。勝ったのは農民だけだ」と苦笑混じりに語った。

(左より)Maxmilian氏、Don Gad氏(中央)、Vince氏とChristoph氏


以上が今年の受賞結果である。
来年のJobMasterに相応しい人物が現れるよう、今年も多くの冒険者の活躍に期待したい。

 [Text by トウコ=ミツキ]


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