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名もなき島

2008.2.29

アルナベルツ教国にとある小さな島がある。

修道院を中心とした小さな村が形成されかつては平和な時を過ごしていたが、いつからかその修道院の地下で狂信者達が狂った宴を行うようになり、その宴から生じた呪いが島全体へと広がった。やがて訪れる人は居なくなり、日が落ちれば信者達の狂気に触れてしまった異形の者達が徘徊するという。

今、この名も無い島に多くの者達が大きな興味を向けている。特に各ギルドや団体の多くはこの島に強い関心を示し、傭兵や冒険者を雇う動きが活発化している。

各ギルドや団体が名もなき島の話を広め、
冒険者達を集めようとしている。

「一体そこで何が起きたのか?」

ベテラン冒険者のジーク氏は、プロンテラのとある宿屋で保存食料をバックパックに詰めながら取材に応じてくれた。

「俺は長い間このルーンミドガッツ王国の彼方此方を旅して周り、色んな物を見て、色んな謎にぶつかってきた。その謎の一つを解く鍵が、この名もなき島にあるような気がするんだ。そうでなくったって何だか不思議な謎に出会えそうな島じゃないか。…ただ、同じ事を考えている冒険者が多いんだろうな。市内のキャンプ用品や保存食が品薄になって、値が上がってるんだ。困ったよ。」

現時点では、この名もなき島で何が起こっているのかははっきりとしない。狂信者達の話や異形の者達が徘徊するという噂は、人伝で得られた情報に過ぎないからだ。だからこそ、この話は本当なのか、本当ならば何故そうなったのか確かめたい。長年ルーンミドガッツ王国を旅してきたジーク氏の心は、今や異国へと向けられていた。

「異教徒、許すまじ!」

ルーンミドガッツ王国とアルナベルツ教国は宗教間対立を繰り返してきた。今回、この名もなき島が異教徒達の巣窟であるという話を聞きつけ、ルーンミドガッツ王国の宗教関係者は強い態度でこれを駆逐するべきだと話している。

「名もなき島は邪神を崇拝するあまり、島全体が呪いで覆われてしまった。今こそ我々がその穢れた地へと出向き、フレイヤが人々の心を惑わす悪しき神である事を証明し、我らが神の正しき教えをそこに示すのだ。」と、プロンテラ大聖堂の司教は語る。

今回の宗教関係者の派遣によって、もし現地の状況を何らかの形で改善させる事ができれば、それは大聖堂にとって大きな成果となる。異教の地でフレイヤを祀る修道院を制圧する事は、内外に向けてのデモンストレーションとも言える。成功すれば、多くの者がフレイヤ神とアルナベルツ教国の力を疑い、ルーンミドガッツ王国と大聖堂の権威を認めるだろう。

また、とあるクルセイダーは「私は嬉しい。嘗て私たちの敵は哀れな不死者や化け物どもだけだった。しかし今度の相手は異教徒という歴然とした敵だ。私は聖戦の為に培ってきた全ての努力の成果を発揮し、彼らに神の鉄槌を加えるだろう。」と、語る。

「そういう土地にこそチャンスはある!」

そう息巻くのは商人達だ。この名もなき島では殆ど商業活動が行われて居ないと見られ、市場開拓は難しいがライバルが少ないことからチャンスが多く転がっていると言われている。また、冒険者や大聖堂の者達が多く詰め掛ける事から、彼ら向けの品揃えをカートに満載した商魂盛んな商人達も、名もなき島を目指すことを決めているようだ。


名もなき島の全体図(出典:ようこそアルナベルツへ!)

「昔の話だが、危険なダンジョンの中で襲い掛かるモンスターどもを蹴散らしながら、露店を開いていた事がある。今じゃそんなガッツのある商人はとんと見なくなったが、なあに。それと同じ事をするだけさ。俺はそこにニーズがあるのならどこでだって商売するぜッッ!」と熱意を見せてくれたのは、プロンテラ市内の露店商人カルバ氏。

彼らの商人魂は、冒険者の探究心や聖職者の信仰心と比べてみても劣るものではない。彼らの熱意がこのルーンミドガッツ王国の商業を支えているのだ。果たしてこのチャンスはルーンミドガッツの新たな商業ルートとして成り立つか?注目したいところだ。

「修道院のお宝は俺たちのものだ!!」

その一方で、そんな呆れてしまう言葉を堂々と言ってのけるのがモロクの盗賊ギルドの者達だ。修道院には価値のある絵画、聖像、金細工などがあると見られ、彼らはそれを求めて旅立つ決意を固めている。その価値は総額200億ゼニーに上るとも言われ、盗賊たちも準備に余念が無い(この200億ゼニーという額の話の出所は定かでは無い)。

本来ならば罪に問われるのだろうが、名もなき島の修道院の正式な所有者が居ない場合扱いとしては廃墟になり、中にあるものをどうしようが基本的には自由だ。普段ならば眉間に皺を寄せ「罰当たりめ!地獄に堕ちるがいい!」と怒鳴る大聖堂の人間も、異教徒の財産がどうなろうと知ったことではないとの姿勢を見せ、彼らの略奪行為を止めるものは居ない。

これに対しアルナベルツ教国は

既に異形の者達に制圧され危険地帯とはいえ、自国の領地内で行われるであろう武力行動に対し、アルナベルツ教国も黙っては居ないだろう。恐らくこの名もなき島に立ち入る事が出来るのは、彼らが認めた一部の者のみとなる筈だ。或いは調査という名目で許可されるかもしれない。一部では冒険者達を利用し、名もなき島のモンスター鎮圧を行わせようとしているのでは無いかとも言われているが、定かではない。

敵対している国相手とは言え、新たな争いの火種にならなければ良いが。



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