今年もやってきたバレンタインデー。愛しのあの人からのチョコを巡り、昨年度に引き続き今年も数々の愛憎のドラマを生み出してくれた。その幾つかを紹介してみよう。 ■ギルドマスターのチョコを巡りギルド内部衝突 プロンテラを中心に活動するギルド「Masquerade」のギルドマスター、Abellonaさんはギルド団員から非常に人気が高い事で有名だ。彼女に憧れて「Masquerade」に入隊を希望する者も多いくらいだ。しかしそんな団員たちの好意をよそにAbellonaさん自身に浮いた話は無く、過去のバレンタインイベントの話題に関しても興味の無さそうな生返事を返すだけだったと言う。 しかし、今年のバレンタインではチョコを一つ買い求めるAbellonaさんの姿がアルベルタで目撃され、ギルド団員達は大いに期待した。そのたった一つのチョコは誰の手に渡るのか、誰もが注目を集めていた。が、昨日プロンテラ市内の酒場で同席していた同ギルドの男性メンバーが、そのチョコを巡って口論となり、ついには乱闘に発展、警備兵が駆けつける騒ぎとなった。 現在騒ぎを起こしたギルドメンバーは取調べを受けており、「酒が入って長年降り積もったマスターへの思いに火がついて誰がチョコを貰えるかで言い争いになってしまった。」と供述している。 Abellonaさんはこの事件に対し「馬鹿の極みだ。」とあきれ返っている様子。ちなみにAbellonaさんがアルベルタで購入したチョコはその日の内に自分で食べてしまったらしい。  _ ■増加するトリスタン三世へのチョコプレゼント バレンタインということで、今人気向上中の俳優や有名人などにもファンからチョコレートが送られている。それはこの国を統べるトリスタン三世も同じだ。 しかし羨ましい話と思うこと無かれ、トリスタン国王の元に届くのは何も愛が詰まったチョコばかりではない。チョコの中には黄金で出来たチョコや高価なプレゼントが賄賂として贈られているのもあるらしい。勿論、支持率が低迷中で迂闊な事は出来ない国王はそれらの受け取りを拒否している。 それだけならまだしも、差出人不明からのチョコには下剤入りや中にはジョークとしては少々笑えない程毒性の強い劇薬が入っていたりと、トリスタン三世も眉を顰める事態となっている。流石にこのような初歩的な手段で暗殺を目論む者は居ないので、関係当局は悪質な悪戯ではないかとみてプロンテラ警備保障に捜査を依頼する方針だ。 ちなみに、プロンテラ精錬所所長のホルグレン氏が同日腹痛を訴え病院に運ばれたらしいが、プロンテラ精錬所はバレンタインとの関連を否定している。 ■チョコの食べすぎでウィザードが倒れる 例え愛の篭ったチョコを貰えたとしても、それが思わぬハプニングに繋がることもある。ゲフェン在住のとあるウィザードは友人、知人、ギルドメンバー、先輩、後輩等の各方面から大量のチョコを貰い、「折角だから」とそのチョコを平らげていたところ突然鼻血を出して倒れ、出血多量で意識不明の重体に陥った。 その時偶然居合わせていた彼の友人のアサシンが介抱しようとしたところ、直後にウィザードのギルドメンバーの一人であるクルセイダーが現れ「一体何をしたのだ」などと叫びながらアサシンに襲い掛かった。幸いウィザードは一命を取りとめ、意識を取り戻し現在病院で手当てを受けている。 アサシンに襲い掛かったクルセイダーは「彼(ウィザード)に何も無くてよかった。私の勘違いでアサシン殿に迷惑をかけてしまい申し訳なく思う。元凶となったあのチョコの山は…彼の体調が回復してからまた食べればいいと思う。」と何故か口の周りにチョコを付けたままコメントしてくれた。居合わせていたアサシンも「美味しかったでござる。」と語っている。   |