炭坑閉鎖、その真実…国内

2004.08.13

10年前にモンスターの危険を理由に閉鎖された国営の炭坑は、現在も再発掘開始の目途が立たず放置されたままとなっている。過酷な労働条件の中で息絶えた炭坑夫はアンデッドと化し、炭坑内を徘徊し侵入したものに襲い掛かる。何故死亡した炭坑夫がアンデッドになったかについては謎が多く、詳しいことはわかっていない。


坑道入り口には危険の看板が掲げられている。

■炭坑内に眠る豊富な鉱脈

炭坑内には石炭以外にも鉄、エルニウムといった貴重な鉱石が多く眠っており、今でも腕に自信のある鍛冶屋や冒険者たちが炭坑に赴き自分の手でそれらの鉱石を手に入れているが、個人の力では採掘できる数には限度がある。

ならば護衛をつけてはどうかと、過去にアルベルタの豪商が多くの炭坑夫と護衛の冒険者を雇い採掘を試みたが、モンスター以外にも落盤や炭坑内爆発といった事故の危険がつきまとうため、リスクが高く採算が合わないと一ヶ月で採掘を中止してしまった。

炭坑の運営が開始されればルーンミッドガッツ王国の財政は潤い、更なる発展に繋がることが期待されているため今まで幾度となく討伐隊が炭坑に派遣されたが、いくらモンスターを退治しても数が減ることは無かった。これはフェイヨンのムナック等のアンデッドと共通している。


閉鎖された坑道。立ち入り禁止となっている。

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水没した地区の水を
汲み上げているのだろうか?

■十年前に何が起きていたのか

多くの炭坑夫が死に、アンデッドとなった原因は一体なんだったのか。当事炭坑夫として働いていた者によると、そこでの労働環境は劣悪そのもので、24時間続けられる採掘の中で炭坑夫達に休む時間は殆ど与えられず、多くの炭坑夫が過労や不衛生な環境の為に病気となり、死んでいったらしい。

また無計画な採掘の為に落盤が起こり易く、時には有毒ガスの発生や爆発、地下水脈の流入による水没まで起こり、炭坑内で死亡したものは800人以上にのぼるという。

「薄暗い部屋で眠りながら遠くで起きた落盤の揺れを感じたが、「またか」と思うだけで起き上がることもなく再び眠りについた。少ない睡眠時間を削りたくなかったからだ」と、その元炭坑夫は語っている。

炭坑内で死んだ者に対しては聖職者によるきちんとした葬儀が行われず、共同の墓地に捨てるように埋葬されるだけだったという。落盤で死んだ犠牲者は酷い時には掘り出されることすら無く、今でもその死体は埋まったままらしい。坑道が丸ごと閉鎖されることも珍しくなかったようだ。当事の炭坑はアンデッドの発生条件を十二分に満たしていたことになる。

利益を優先する余り労働者を省みなかった結果がアンデッド徘徊による炭坑閉鎖に繋がった。元炭坑夫や炭坑夫の遺族たちは国側に賠償を請求しているが、国側は危険を納得の上での労働だったとしてこれを退けている。

ここに立ち入る冒険者は、落盤や有毒ガスなどの事故に備えてガスマスクやヘルメットを着用するべきだろう。


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