錬金術師Amit氏、遺体で発見…ジュノー

2004.03.29

今朝7時頃、ジュノーの錬金術師Amit Roy氏が、腹部を鋭利な刃物のようなもので突かれ、自宅の研究室で死んでいるのを、弟子のKhanさんが発見した。

Amit氏が死んだのは、Khanさんが研究室を後にした、昨晩11時頃研〜深夜2時頃と推測されている。捜査に当たった警備兵が付近の住民の聞き込みを行ったところ、昨晩1時頃にAmit氏の家から争うような音が聞こえたという。だが、Amit氏は2ヶ月ほど前から別居中の妻と、離婚問題を巡ってよく深夜に喧嘩をしていたとのことで、その時はいつものことと付近の住民も気に留めなかったらしい。

Amit氏はシュバルツバルドに正式に任命されている錬金術師で、国から多額の研究資金がAmit氏に出されていた。捜査開始当初は、その研究資金目当ての強盗か、もしくは別居中の妻の犯行と見られていたが、警備兵がAmit氏の研究所の地下を捜索したところ、割れたホムンクルスの培養槽を発見した。


自宅の研究室で発見されたAmit氏

もしかしたらこれは、暴走したホムンクルスの仕業ではないかと、ジュノーでは大きな騒ぎとなっている。現在、ホムンクルスを目に見える形で実現した錬金術師は居らず、もしこの犯行がホムンクルスのものであれば、大きな進歩となる。国を挙げてホムンクルスの研究を行っているシュバルツバルドでは、Amit氏の自宅から脱走したと思われるホムンクルスを、何としても捕獲したいのが本音だろう。

Amit氏はホムンクルス実現の為の研究を熱心に行っていた。しかし、他の錬金術師達のように、共同での研究は行っていなかった為、弟子であるKhan氏ですら、その研究が何処まですすんでいたのかはわからないらしい。Amit氏はホムンクルス実現に最も近い錬金術師と言われており、他の錬金術師仲間から賞賛と嫉妬、その両方を浴びていたようだ。

ジュノー警備兵のScatさんは「冗談ではない。そのホムンクルスを、国側は殺さずに捕獲せよと命令してきた。事件の調査をロクに行わない段階から、Amit氏殺害の犯人をホムンクルスと決め付けているらしい。仮に本当にホムンクルスの仕業だとして、そいつは一体どんな容姿で、どれほど危険で狂暴なのか・・・。それすら知らされていない。ホムンクルスは人型だというが、もし我々人間と寸分違わぬ容姿だったら手のつけようがない。また、Amit氏のホムンクルスを密かに奪い、自分の研究に役立てようと企む錬金術師が、我々の捜査の妨害をしている。この事件、一体どうなるか・・・」と語っている。

現在ジュノーでは、外出を控えるよう住民に注意が呼びかけられている。


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