弓手協会、銃の導入を検討へ…フェイヨン

2003.05.12

フェイヨン弓手協会は、年々被害を拡大させているモンスターに対し、アーチャーやハンター達に火器を導入することの検討を開始した。

火器とは、筒に込められた火薬を撃針で強打することにより、弾丸を発射する武器のことで、非常に強力だが次弾を発射するまでに時間がかかり、単体で使用する分には弓より劣る。しかし多人数に火器を持たせた場合、撃つ者と弾・火薬を込める者に分かれ、交互に攻撃することによって、連続して射撃することが出来るため、非常に強力だ。ルーンミドガッツ王国ではあまり知られていない武器だが、貿易都市アルベルタに行けば、実物を見る機会もあるだろう。

しかし、ルーンミドガッツ王国内には、銃の技術は伝わっているが生産ラインは確立しておらず、銃を作れる技術者も数えるほどしかいない為、一部隊分の銃を用意するのも困難だろう。

フェイヨンといえば不死者だが、不死者に銃は通用するのだろうか?弓手教会が13日に、フェイヨンの洞窟内で行った銃の実戦テストでは、弾丸を銀製にすることで、彼らが今まで使用して来た「銀の矢」と、同等の威力を持つことができるようだ。

実験に参加したアーチャーは「火薬と弾丸の装填はちょっと慣れが必要だね。でも目の前に敵が迫っている時に、落ちついて装填できるか不安だよ。構えた感じはボウガンとあまり変わらないけど、火薬の炸裂音が大きくて、実験中に他のゾンビを呼び寄せてしまった。使いどころの限られる武器だと思う。それと、5、6mの至近距離では弓と同じ感覚で扱っても問題無いけど、それ以上の距離になると矢と弾丸では飛び方が違うから、銃を使えと言われても、すぐには無理だと思う。もし導入するなら、ある程度の訓練が必要だね」と語っている。

アーチャー・ハンター達の最大の敵である、聖職者の術「Pneuma」を突破出来るかどうかの実験も行われたが、ルティエのクルーザーの銃同様、空気の壁を通過するのは無理だった様だ。


実験に参加したアーチャー

この銃の導入に関しては、様々な方面から反対意見が唱えられている。先ず騎士団や教会からは、アーチャーギルドが過度の武力を持つことになるということから、導入を取り止めるように求めている。また王宮内からも、銃の横流しによってモロクの犯罪組織に、余計な力を与えてしまうのでは無いかと懸念されている。

驚くべきなのは、弓手協会内部からも反対意見が出ていることだ。彼らの間では、長い間使用して来た弓に対しての愛着からか、銃の使用を拒む者もいるという。鉄砲の音に驚いた鷹が、逃げ出すと言う事態も起きており、銃の導入は簡単にはいかないようだ。

弓手協会幹部は「我々も今すぐ導入しようと思っているわけではない。弓より劣る部分も多いし、何より発射速度の遅さがネックだ。だが我々は、狂暴化するモンスター達に対抗する術を常に模索する必要がある。それにこの銃だって、まだまだ改良の余地があると思う。暫くは、試験的に銃を扱う部隊を育成することになるだろう」と語った。


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