ミッドガルドあおぞら健康協会が、若者達の運動が不足してきているのではないかと懸念している。
聖職者達によるワープポータルや、蝿の羽、蝶の羽などによって長距離の移動が簡単になったため、
冒険者達はおろか、一般人までもが自分の足で歩く機会が少なくなっているのだ。
最近では、オークの村やモンスターが蔓延るダンジョンに赴く際にもポータルを利用し、
更にそのダンジョンの中に入っても、蝿の羽を使用して移動してしまう。

勿論、敵と戦うときはそれなりの運動を必要とするが、魔術師や聖職者は、あまり運動量は多くない。
それ以外の剣士なども、上半身の運動ばかりで、足腰の運動はおろそかになっている。
今はまだ体に何の障害も起きていないが、それも時間の問題だと言うのが協会の意見だ。
これに対しては、考えすぎだとの反論が多い。

協会は、今後なるべく徒歩での移動を心がけ、運動不足を解消するように呼びかけているが、
既に楽を覚えた人達が、わざわざ歩いて移動することは無いと予想される。