今月に入って、冒険者の行方不明者の総数は数十名を超えている。
行方不明者の大部分は強暴なモンスターに襲われ死亡したものと思われるが、
中にはさほど危険でない場所で突然行方をくらますケースが多い。

ある冒険者は「長年コンビを組んでいた相棒が、少し目を離した隙に突然マンドラゴラの森ではぐれてしまった。
俺と相棒は冒険者としてのキャリアも長いし、マンドラゴラの森での狩りなんて楽勝だった。
まあ、律儀な奴のことだから大方初心者の手助けでもしてるんだろうと思って、プロンテラで待っていた。
だが、何日経っても帰ってこない。心配になって何度もマンドラゴラの森に足を運んで探してみたが、
手がかり一つ見つけられない。聞き込みをしても、みんなそんな奴は見ていないと言う。
相棒は、俺と違ってどんな状況でも油断しないタイプの男だったから、マンドラゴラの野郎にやられたとは考えにくい。
とにかく無事に帰ってきて欲しい、とても心配している」と語る。

また、中には行方不明だった者が突然帰ってくることもある。
以下は、ピラミッドで狩りをしている時に行方不明になり、最近無事に帰ってきた冒険者のコメント。
「全く恐ろしい体験だった。いつものようにピラミッドで狩りをしていたら、
突然自分の体が光に包まれて、次の瞬間に自分は音も光も無い暗闇の空間にいた。
いくら泣き叫んで助けを求めても、誰も何も答えてくれない。私はひたすら神に祈るしかなかった。
そんな願いが通じたのか、泣きつかれて眠りに落ち、目が覚めたときには自分はプロンテラの町の前にいた。
もう少しで孤独で私の気が狂う所だった。これからは神に感謝しながら生きようと思う。
…そういえば暗闇に飛ばされる瞬間、アコライトの方の見下すような視線が印象に残ったのたが、
今回の事件と何か関係があるのだろうか」

プロンテラ警備保障は、他の都市の警備団体と協力して引き続き行方不明者の捜索を行う予定。